【穀雨】は、24節季で春の最後の節季となります、
この次の節季は、二週間後の5月初旬、夏のはじまりの【立夏】
まさに、今が春のてっぺん、盛り、春爛漫!
自転車を走らせていると、いたるところで花が咲き誇り
畑には、蝶やミツバチや蛙、さまざまな鳥たちが行き交って生命の躍動に満ちています。
一方、人間たちは田んぼに水を引き耕起し、夏野菜のための畝づくりを開始します。
近所の方々も軽トラであっちにこっちに忙しそう。
地球(terra)ありがとう!地球の懐で、みんなみんな生きているよ。
4/4は24節季の【清明】
陽の光が万物を照らし全てがはっきりと鮮やかに見える頃、
まさにその言葉通り、植物たちが光の中いっせいに輝きはじめました!
昨年の秋にここに住み始めた我が家。
今朝、隣の土手の上を見てびっくり!
枯れ木だった?ところに、突然、桜が咲いている。。。
おぉ!!君は、桜だったのか!こんなところに。
そうか、そうか。きれいやなぁ!
唐突に現れた桜に、思わず話しかけてしまいます。
土手に突然、ぽこぽこぽこぽこと、
ふきのとうが花を咲かせていた時も驚きましたが、
この桜は、それにも増して唐突で、サプライズ度 Max!
新芽や花々が、枯れ木だったはずの木々や枯野だった畦道に
いっせいに色を纏わせ、世界はモノクロからカラーへ。
それは、目立たず、淡々と努力していた人が、
時を得て突然きらきらと存在感を増す、そんな姿に似ています。
ここんところ続く雨で、昨日はあわや畝が水没しそうになりました。
あわてて水を逃す水かきをしたところ、応急処置ながら効いたようで、
今朝は水も引いて、ほっ。
初めて畑をするにあたって、まず、植えたのは、ジャガイモです。
この畝にはジャガイモがいてます。「梅が咲いたら、ジャガイモ」、と教わった通り、
3/10に、畝らしきものを作り種芋を植えたのでした。
芽の部分を太陽に向けてふんわり土をかぶせ2週間。
気温が低い日が続き、今のところ何の音さたもありません。
合間に植えたコンパニオンプランツのねぎも、切り口に新しい葉は…まだ生えてない、
ようです。
今回、素人ファーマーが学んだのは、水の道です。
畝を作って水はけをよくしたものの、これほど雨が続けば水を逃す道を
もっとしっかりしていないと意味がありません。
次の畝は、高低と水の道を意識することにします。
実は、先日、大地の再生を生業とする矢野智徳さんのドキュメンタリー映画、
『杜人』を見ました。
この40年間の間に、売り払われた雑木林や田畑が、コンクリートでおおわれ、
大地は息が出来なくなっている。
人間が作った詰まりが、自然の循環を断ち切り、土砂災害、河川の氾濫を招いている、
けれど、今ならまだなんとか間に合う!、と大地の再生に全国を飛び回る矢野智徳さん
を追ったお話です。
この中では、大いなる自然との向き合い方、自然にならった手入れ法などが語られて
います。それは豊富な現場経験と専門的な技術をもとに、身体感覚を軸にした手法で、
その奥底には、自然への深い愛と敬意があります。
大地の声を代弁するかのような矢野さんの言葉には、なぜか涙が出てくるのです。
たまって淀んだ水を、手の感触で柔らかいところを探りながら掘り進め、水の詰まりを
流します。いわく『自然界には直線はなく流線形をしている』
大きな重機を操りながら『イノシシのように』掘るんだ、と大地に空気を通します。
映画の後に、主催者と同様のお仕事をなさっている方のインタビューがありました。
そのお話によると、木の周りの土がカチカチに硬くなったものも、枝などで小さな穴を
開けて葉っぱや木の枝をさして置くと柔らかくなるというものがありました。
矢野さんのように、大掛かりに大地の再生に取り組めなくても、まず自然を観察する、
何が起こっているか知ろうとする、向き合う、愛してあげる、そして大地に小さな穴を
あける、水たまりの水を流す、それだけで大地は息をし始めると。
本当に、虫も鳥も動物も菌も、そして昔の人間も、みんな分かっている、分かっていた
自然の理を、唯一分かっていないのは『今の人間だけ』なのかもしれない、
と思いつつも、今、この映画を見に集まった人々、同じ生業で生きていこうとしている
人々、そして、最近、増えている(気がする)自然と共に生きていこうとする人々に、
希望を感じてもいます。
映画の後に、畑の土を混ぜ混ぜして、硬くなりかけた土に点穴を開け、割り箸を入れて
回りました。そして、今回の雨で気づいたように、水の道についても、自然に聴きなが
ら、水の流れを作ってみましょう。